磁気センサー(電子コンパス)の仕組み|AIが解説するテクノロジーの裏側

モヒカンと眼鏡のキャラクターが、電子コンパスを表示したスマートフォンと地球を紹介するイラスト AIが解説するテクノロジーの裏側

はじめに

スマホの地図が端末の向きに合わせて回る。その手掛かりの一つが、磁気センサーを使う電子コンパスです。GPSによる移動方向と、端末が向いている方向は区別して考える必要があります。

磁気センサーは何を測る?

3軸の磁気センサーは、端末に対する磁場の各方向の成分を測ります。地球の磁場だけを選んで測るわけではなく、近くの磁石や電気機器による磁場も影響します。

地球を大きな磁石に例える場合、北極側を単純に「N極」とするのは誤りです。方位磁針のN極を引き付ける北極側は、棒磁石の極性で考えるとS極に相当します。地理上の北極と磁気の極は同じ場所ではありません。

磁北と真北はどう違う?

コンパスが示すのは、その場所の磁場の水平成分に沿った磁北です。一方、地理上の北極に向かう方向が真北です。両者の角度差を「偏角」といい、場所や時期で変わります。

真北を表示するには、位置や地磁気モデルなどを使って偏角を補正します。アプリが磁北と真北のどちらを示すかも確認しましょう。参考:NOAA:Magnetic Declination

ホール素子と磁気抵抗素子の違いは?

ホール素子は、電流が流れる材料に磁場が加わると生じる電圧を利用します。磁気抵抗素子は、磁場による抵抗の変化を利用し、AMR・GMR・TMRなどの方式があります。

「ホール素子は微弱な地磁気に不向きで補助的」「現在のスマホはTMRが標準」とは一括りにできません。AKMはホール素子技術を使う3軸電子コンパスを製品として提供しています。感度・消費電力・精度は、方式名だけでなく個々の製品仕様で比較する必要があります。

参考:AKM:Electronic Compass

傾けたスマホでも方位が分かる理由は?

3軸の磁場測定に加え、加速度センサーなどで推定した端末の傾きを使い、水平面の方位を計算します。磁気センサーを3軸にしただけで、どんな姿勢でも自動的に正しい方位が出るわけではありません。

ジャイロは短時間の回転を追い、加速度は静止に近い状態で重力方向の手掛かりを与えます。磁気は方位の基準に役立ちますが、強い加速や周辺磁場の影響を考慮した処理が必要です。

8の字の調整は何をしている?

端末の向きを変えながら測定すると、端末周辺の磁気によるずれを推定し、補正する手掛かりが得られます。8の字に動かす操作はその方法の一つで、すべての端末で毎回必要な操作ではありません。自動的に補正する仕組みもあります。

磁石付きケースやスピーカーなどが近い場合、調整だけで解決するとは限りません。まず干渉源から離れ、端末やアプリの案内に従ってください。参考:AKM:電子コンパスの基礎

GPSや地図アプリとの役割分担は?

一般的なスマホでは、GNSS(GPSなど)の位置変化から移動方向を推定できます。ただし停止中の位置だけでは端末の向きは分からず、進行方向と端末の向きが一致するとも限りません。電子コンパスは停止中の方位の手掛かりになります。

地図アプリがどのセンサーをどの比率で使うかは実装次第です。「歩行中は磁気+加速度、停止中は磁気」と固定的には説明できません。センサー融合でも、周辺磁場による誤差を必ずなくせるわけではありません。

関連記事

加速度センサーの仕組み|AIが解説するテクノロジーの裏側

ジャイロセンサーの仕組み|AIが解説するテクノロジーの裏側

まとめ

電子コンパスは、周囲の磁場と端末の姿勢から方位を推定します。磁北と真北の違い、センサー方式の多様性、磁石や金属の影響を知っておくと、地図の向きがずれる理由も理解しやすくなります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました