日本はレアアースでどう戦うべきか?|AIが解説するテクノロジーの裏側

モヒカンと眼鏡のキャラクターが、鉱石から材料、モーター、資源回収への循環を案内するイラスト AIが解説するテクノロジーの裏側

はじめに

レアアースの供給を考えるとき、鉱山を確保する話に目が向きがちです。しかし、製品に使うまでには分離・精製、材料加工、部品製造という工程があります。使い終えた製品から回収する仕組みも欠かせません。

この記事では、日本の戦略を「採掘だけに頼らず、材料を使える形にして循環させる」という視点で考えます。特定の国だけが技術を持つという話ではなく、供給網のどこに投資し、誰と協力するかという課題です。

日本は採掘をあきらめるべきなのか?

「日本には資源がない」「採掘では勝てない」と一括りにはできません。資源が存在することと、環境面・経済面の条件を満たして安定供給できることは別です。陸上の鉱山と深海の資源でも、必要な設備や輸送条件は大きく異なります。

JAMSTECの2026年7月24日の発表によると、同年1〜2月の南鳥島EEZでの接続試験では、海底下のレアアース泥を船上へ連続して揚げ、3か所の層から回収しました。一方、産業化に向けた経済性を含む総合評価は今後の計画です。試験成功を、そのまま商業生産の開始や採算の確定と受け取ることはできません。JAMSTECの試験結果(2026年7月24日)

分離・精製はなぜ重要なのか?

レアアースは複数の元素の総称で、用途ごとに必要な元素や純度が違います。原料を確保しても、目的の元素を分け、不純物を取り除き、一定の品質で供給できなければ製品には使えません。

そのため、資源量だけでなく、分離・精製設備、工程の歩留まり、廃液などの処理、材料メーカーとの連携まで見る必要があります。日本だけの強みと断定するのではなく、国内外の技術と設備をどう組み合わせるかが重要です。

海外との協力はどのような役割を持つのか?

国内で全工程を完結させる以外にも、調達先や生産拠点を分散する方法があります。JOGMECの2025年の動向整理では、双日・JOGMECが支援してきたLynasについて、豪州の資源とマレーシアの分離・精製を組み合わせる供給網が紹介されています。国際協力も供給リスクを下げる選択肢です。JOGMEC「2025年 金属鉱物資源をめぐる動向」

ただし、供給元を増やすだけで問題がなくなるわけではありません。必要な元素、品質、量、契約条件、輸送や規制の影響を工程ごとに確かめる必要があります。

都市鉱山は新しい鉱山の代わりになるのか?

廃家電や使用済みモーターなどから材料を回収する都市鉱山は、一次資源を補う手段です。回収しやすい製造端材と、広い地域に散らばった使用済み製品では条件が違います。

採算は含有量だけで決まりません。回収量、運搬、分解、選別、再資源化、品質確認までの費用と、得られる材料の価値を比べます。需要が増えている段階では、過去に販売した製品から戻ってくる量にも限りがあり、リサイクルだけで直ちに全需要を賄えるとは限りません。

製品設計でできることは何か?

分解しやすい構造、材料の識別、磁石などを取り出しやすくする設計は、回収工程を助けます。また、性能を保ちながら使用量を減らしたり、別の材料・方式を選んだりする方法もあります。

ただし、回収しやすさ、耐久性、小型化、安全性、製造費用は同時に検討する必要があります。設計変更の効果は製品ごとに評価すべきで、採掘を行う国にはできないというものではありません。

日本の戦略をどう考えるべきか?

私は、国内資源の検証、海外との調達協力、分離・精製、回収、使用量を抑える設計を並行して進めることが現実的だと考えます。一つの技術だけに解決を期待せず、必要な品質と量を継続して確保できるかで判断するという考え方です。

価格を無視して品質だけを追えばよいわけでもありません。環境への影響、供給の安定性、費用を含めた評価が必要です。ここは技術の優劣だけでなく、物流、契約、政策にも関わります。

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まとめ

レアアースの戦略は、採掘から回収までの供給網全体で考える必要があります。日本の選択肢を「掘らない」に限定せず、資源開発の検証と、分離・精製、海外協力、循環利用を組み合わせることが大切です。研究や試験の成果と、商業的に継続できる仕組みは分けて見ていきましょう。

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